Tad Hosoi

ダグラスカレッジ国際教育センター・センター長  

(Centre for International Education/ Director)

Taeko Berwick

ダグラスカレッジ国際教育センター・留学生アドバイザー

(International Student Adviser)

Naomi’s Café 営業当時、ダグラスカレッジの同じオフィスで仕事をされていたお二人は、昼休みにはNaomi’s Café にランチを食べに行っていた。カレッジ内にもカフェテリアがあったのだけれど、Naomi’s Café はわざわざ足を運ぶ価値ありの場所だったとおっしゃる。



rawTaeko さんのご家族と

大学のカフェよりNaomi’s Café !

 

Hosoi:僕は当時、ダグラスカレッジで仕事をしていたので、Naomi's Cafe は5分もかからずに行ける近所でしたから。こういうウェスタン風の大衆食堂をGreasy Spoonと呼ぶんだけれど、こういうタイプのカフェは(カナダでは)珍しくはなかったと思いますが、あのあたりにはなかった。なおみさんのキャラクターが独特だったし、料理は庶民的ですごくおいしかったです。ファンシーなもの、というわけではないんだけれど、ウェスタンのComfort Foodを食べられるのと、なおみさんの人柄でね。警察、市役所、裁判所などの人たちがよく来ていました。市長(*当時のニューウェストミンスター市長:ベテイ―・トポラフスキー)にも何度も会ったことがある。

Taeko:
大学のカフェはおいしくなかったですからねえ(笑)。Naomi’s Café の料理は、いつでも気を配って作っていてくれていましたよね。いつ行ってもおいしくて、ハズレたことがなかったです。困るのは、「食べ過ぎて帰る」ってことでした。(笑)
近所の人がたくさん来ていて、みんな冗談を言ってほんとうに楽しそうでしたよ。デザートは、なおみさんが自分で研究して、試して作ったものを出していたんじゃないかしら?私は、ブルーベリーパイがいちばん好きで、注文しないのに「ドン」とテーブルに置いてくれて。。。それが(切り口の角度が)45度くらいの大きさで!(笑) シュークリームもクリームがたっぷりでおいしくて。直前にクリームを入れていたんじゃないかな、いつも皮がパリパリしているんです。いつもカフェのカウンタ―の上にデザート類が並べてあったので、お店に入ると今日は何があるかなとチラッと見ていましたね(笑)。 

H:
全部自分で作っていたんでしょう!? あれだけ手間をかけているからすごい。
カフェの建物は、ひどかったですよ(笑)。特に最後の1-2年は、カフェのあった坂の下の建物を壊す工事が始まって。Naomi’s Café は工事現場のすぐ隣りにあったから、もう、いつ転げても不思議じゃない状態で、トイレに入るのがとても怖かった。

T:
「Naomi’s Café を守る会」があって、続けて欲しいと場所を探したりしていたと聞いていますよ。

 

思い出の味

29_MG_6829c大人気のシュークリーム
H:シュークリーム!3つ食べられたんじゃないかと思うけれど、いつもひとつにしていました。(笑) 時々、娘にもおみやげにもらったけれど、市販のシュークリームよりひとまわり大きいし、クリームも2倍くらい!

T:
私はクラムチャウダーが好きでした。ニューイングランドスタイルで、おいしかったですよ~! それにブルーベリーパイですね!中身は本当にブルーベリーだけで、甘さがちょうど良い。パイ皮もクラスティでおいしいんです。それにパイ皮と中身の割り合いがまたちょうど良いんですよね。
日本に帰国することになり、細井先生のお宅で送別会をしていただいたことがあります。なおみさんはお寿司とたくさんのデザートを持ってきてくださって、感激しました。私がブルーベリーパイが好きだったことをちゃ~んと覚えていてくれて、ブルーベリーパイは私のためにお土産にと別に包んでおいてくださって。嬉しかったですね。なおみさんが、ビスコッテイを焼いて持ってきてくれたことがあって。「おいしい!」と言ったら、すぐにレシピを持ってきてくれて、今も楽しんでいます。もち粉を使った「もちケーキもおいしい!みんなに分けても良いと言われて、たくさんの人に(レシピを)分けています。


なおみさんと学生


1kyIU5tqdsl4i8ucOOdNiIk5Oz82dwja3学生たちとパーティ
H:当時の外国人学生の中でも、日本人留学生は多かったですね。今のように日本食レストランがたくさんなく、金曜日にNaomi’s Café に行けば、ちらし寿司があったり日本風の洋食があったり。学生は情報が早いから、みんな自然にカフェに行くようになったんでしょう。なおみさんは、毎年お正月には学生を招いてホームパーテイーをしてくれていた。さすがに我々は遠慮しましたが...(笑)。
 

T:金曜日には、お赤飯なんかもあったと思いますよ。それに、カステラ・あんこの入ったロールケーキ、大福、もちケーキなども。なおみさんは記憶力がものすごく良くて、卒業した学生が訪ねて来てもよく覚えていて。カウンターで「この間、誰々が来てね~」と話してくれました。ひとりひとりをしっかり覚えていてくれたんですよね。たくさんの悩みも聞いていたのだと思う。学生たちがわざわざなおみさんに会いに行くのには、それだけのことがあったからなんです。

H:なおみさんは、ツヤツヤ・生き生きとした元気なおばさん、という感じ。学生たちを親身になって戒めてくれていたんだと思います。学生にしてみれば、「なぜ叱られるんだろう?」と思ったこともあったかもしれませんが。 
白人のお客さんでも学生でも、誰に対してでも、間違っていることは叱っていましたよ。


T:学生でも弁護士でも、なおみさんにとってはみんな同じだったのだと思います。


なおみさんの気前良さ
 
28_MG_6683当時カフェで使っていた食器
H:お金は、「そんなのいらないわよ~」と言われるので、チップを置いていくようにしていましたよ(笑)。

T:なおみさんが、ニッコリと笑ってテーブルに置いていった分は、お金をとらなかったですよね。

H:
北米サイズで料理の量が多かったけれど、残さずに食べましたよ(笑)。
今でもなおみさんのニコニコした顔が浮かんできます。そして、「シュークリーム」と「もちケーキ」に思い出が集中している...(笑)。 いつも「私は糖尿だから食べられないのよ」と言っていましたけれどね。

T:
なおみさんは、誰かが喜んでくれることに幸せを感じる人なのだと思います。人が「自分に対して何かしてくれない」なんて思わないんでしょうね。

H:
Naomi's Caféは、多くの人にとってのComfort Food Café だったのでしょう。

T:
そして、みんなにとってのComfort Spaceでもあった。なおみさんは、誰に対しても同じように接し、誰でも歓迎してくれていましたから。