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Neil & Muriel Douglas 

Neilさんは、New WestminsterでGuitar Shopを経営。ギター教室をしながら、
手作りのギターを販売してきた。Murielさんは、現在は小学校の校長先生。
独身時代にNaomi’s Caféの近所のミュージックショップに勤めていたNeilさんは、
Murielさんと出会ってNaomi’s Cafeでデートをし、結婚後も家族でカフェを訪れていた。
二人の娘さん(クリステイーン、エリザベス)と共に、清水なおみさんファミリーとは
家族ぐるみでの温かい交流を続けている。


家族で通ったNaomi’s Café

Neil: Naomiのカフェに初めて行ったのは、1972年だった。僕はカフェから1ブロックくらい離れたミ
   ュージックストアで働いていて、まだ独身で若くて料理もしなかったから、朝食やランチにカフ
   ェに行っていたんだ。結婚して子どもが生まれてからもよく行ったよ。
娘たちが学校に上がる前
   は、朝食やランチにNaomi’s Café に行くのが日課だったよね。大人はト
ーストやコーヒーやメニ
   ューにあるものを頼むんだけれど、娘たちはチーズとか果物とか欲しい
ものをもらって。それは
   メニューにないからと、Naomiはお金をとらなかったんだ。

Muriel:  2番目の娘が生まれた時には、Naomiに会わせたくて、病院から自宅に帰る前にカフェに寄っ
   たくらい。
クリスマスとかイースターには、娘たちによくドレスを作ってくれて。Naomiはクッ
   キングだけでなくて、ソーイングのセンスもあるのよ。型紙を作らずに縫っていた。普通のドレ
   スよりも後ろのリボンが倍くらい長くて、色もとてもステキ。あんなに忙しかったのに、いった
   いいつ作っていたのかしら?
娘が5歳の時に、学校のCultural DayのためにNaomiが着物を着せて
   くれたの。お化粧までしてく
れて。その日はとっても“Japanese”だった!(笑)娘たちが小さい
   頃は、Naomiを「グランマ」
と呼んでいたわ。

お客さん 2

Niel Douglus (daughters)

そこに行けば友達がいる!
 

N: カフェには毎日その日のスペシャルメニューがあって、それがおいしかったんだよ。金曜日のチラ
  シ寿司、おいしかったなあ。それにチーズブレッドとレーズンブレッドは、絶品だったよ。シナモ
  ンバンも忘れちゃいけない!

M: ロールキャベツもね!思い出したらきりがないわ。一週間料理して、土曜日もまた料理して、日曜
  日に教会に持って行くものを作って。Naomiはいつもいつも料理していたけれど、お店はシミひと
  つないくらいにきれいにしていた。

N: すべてのテーブルが、常連客の予約席のような扱いだったよね。カフェの周りがオフィス街だった
  から、そこで働いている人たちが集まってきていたんだ。大きな家族のようだった。そこに行けば
  たくさんの友達がいるんだ。Naomiの家に行くような感じだったよね。

M: 常連さんがいっぱい!。郵便局の人、警察の人、ホビーショップの人、靴屋さん。。。いつも笑い
  にあふれた楽しい場所で、みんなが仲良く冗談を言い合っていた。Naomiは、クッキングしながら
  いつでも何かしら話しかけてくれていたわ。
いつも聖書がそばに置いてあってね。きっとちょっと
  したブレイクの時に読んでいたのでしょうね。Naomiはとても信仰深い人なのよ。

N: ひとつのブース(ブース5)にサインペインター(看板屋のBill)がいたのだけれど、いつでも
  NaomiのCafeにいて、自分のお店にはほとんどいなかったんだよ。彼が後ろの方から「もう一つシ
  ナモンバンをくれ!」と叫ぶと、Naomiが投げて渡していたよね(笑)。


Naomi’s Caféネーミングの裏話
 

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N:
  元のカフェの名前は、“Double A Café”(注:なおみさんは、名前ごと前のカフェを引き継いでい
  た。)だったんだよ。(前のカフェに)2~3回行ったことがあるけれど、普通のカフェだったよ
  ね。Naomiが来てからここが特別な場所になったんだ。
Norm(Naomi’s Café Vancouverの隣りにあ
  った理髪店のオーナー)とBillが「これ(Double A Café)じゃあダメだ!」って。Naomiがある朝
  カフェに来てみたら、店の看板が“Naomi’s Café”に変わっていたんだ。
それまでも「Double A Café
  に行く」とは誰も言わないで、「Naomiのところに行く」ってみんな言
っていたんだ。この辺に住
  んでいる人にはそれで通じたけれど、他の人にはわかりにくかったので
「もう“Naomi’s Café”でい
  いんじゃない?」ってことになったんだろうね(笑)。

  カフェはかなり古い建物でね。建物からはみ出すような感じで、後ろの方にトイレがあった。非常
  階段のところにあったんだけれど、それがどんどん沈んできて床が傾いてきていたんだ。大きい人
  (肥った人)が入ると、底がぬけるんじゃないかとものすごく心配したよ(笑)。Naomiは壊れた
  ところや古いところがあると、きれいな布をかけたりして上手に使っていたよ。
壁はドライウオー
  ルでなく、プラスターを使ってあった。(Naomi’s Caféの閉店後に)Naomiの後
でこの店を借りた
  人が、壁をドライウオールに替えようとしたんだ。僕は「やめた方がいい」って
言ったんだけれど
  ね。プラスターをとったら、建物が崩れちゃった(笑)。


優しくて強いNaomi

N: Naomiは、誰のことでも気にかける人でね。誰かがBad Day(ついていない日)だとFood をあげてい
  たよ。例えば機嫌の悪い人がいると、レーズンブレッドを一斤あげるとかね(笑)。それが彼女の表
  現の仕方なのだと思うよ。そして彼女はToughな(強い)人でもある。難しい(difficult)タイプの
  お客さんには「帰っていいのよ!」っていう感じだった(笑)。
ブース5(注:ブース5はヤンチ
  ャな常連さんたちの指定席だった。)の人たちに、Naomiはお仕
置きに物を投げたり、通りすがり
  にバシッとぶったりして。初めて来たお客さんはそれを見てびっ
くりしたんじゃないかな(笑)。
  Naomiにとって料理と店は、彼女のスキルであり人生そのものだったと思う。夜間学校でクッキン
  グを勉強したり、自分でいろいろと探求して料理を「Art」にまでしていったのだろうね。

N: Naomi’s Caféには、みんながたくさんの素敵な思い出を持っているんだ。

W: みんなNaomiが大好きだったから、そこがみんなの集う場所だったのよね。